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塾生
“ひきこもり”の記憶
2019.06.17
私は、いわゆる不登校・ひきこもり経験者の一人です。
中2の春頃から次第に学校に行けなくなって、
17歳を過ぎた、ある春の日まで、毎日家にひきこもっていました。
しかも、
家族ともほとんど話しも食事もせず、
1日のほとんどを自室で過ごしていたので、
「ひきこもり」をタイトルにした教書本に登場してくるような、
“完全なひきこもり”だったように思います(笑)。
「何もできない」「少しも前に進んでいかない」自分がとにかく許せず、
悔しく、情けなく、苦しい。
でも「どうしたらいいのかわからない」・・・そんな毎日でした。
自分でコントロールできない感情がこみ上げてくることはしょっちゅうで、
ひとたびその感情が爆発すると、
ものすごい勢いで涙があふれ出て、
悔しさ、情けなさ、苦しさの全部を自分の体の中から吐き出すように、
「ウァー!」「ウォー!」「アー!」と、昼夜関係なく大声で叫びながら、
気付くと、両足の太ももに渾身の力で両手こぶしを何度も何度も振り下ろしていました。
当然、両足太ももは翌日パンパンに腫れ上がっていました。青あざのお土産付きで(笑)。
部屋の壁を素手とこぶしで叩き続けることもよくありました。
いつも渾身の力を込めていたせいか、壁はその名残りで今も穴だらけです(笑)。
「得体のしれない、武装した敵に追われる」
「洪水が襲ってきて、体ごと飲み込まれる」
「走って逃げても、敵や洪水にすぐに追いつかれる」
「あえなく絶命」・・・。薬のおかげでせっかく寝付けても、そんな夢にうなされ、
すぐに目が覚めてしまう日もしょっちゅうでした。
何を食べても味がせず、食べたい欲すら感じなかった時期もありました。
でも「何か食べないといけない!」といった強迫的な衝動がときどき襲ってきて、
込み上げてくる「悔しい」「情けない」「苦しい」感情と重なって、
部屋にあるティッシュペーパーを泣きながら食べてしまうこともありました。
どんな味がしたか、何枚食べたか、喉に詰まらず飲み込めたかなど、
あまり記憶はないのですが、とにかく「食べないといけない!」衝動にしたがって、
ティッシュペーパーを含め食べられそうなものを必死に食べようとしていたその瞬間はよく覚えています。
お風呂すら自力で入れず、母に促され、介助され・・・。そんな日もよくありました。
今の私の中にあるそんな「ひきこもりの記憶」はすべて、笑って話せる「良い経験」になっています。私なりに精一杯もがいて過ごした「証し」だから。
次の投稿では、私の中の何かが少しずつ変わり始めるきっかけとなった「エピソード」(挑戦・体験・失敗など)について少しお話しさせていただければと思います。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
塾生(職業訓練コース)入江 麻路